農事組合法人 イザナギ
~ 霧島連山の恵みが息づく、おいしいお米の里 ~

🌾 おいしいお米ができる町、中津川のいま
鹿児島県霧島市の中山間地域「中津川(なかつがわ)」。
この地は、霧島連山から流れ出るミネラル豊富な湧き水と、標高差による寒暖差に恵まれ、
お米づくりには非常に適した環境を備えています。
昔から、味にこだわる人々の間では、“中津川のお米”は隠れた名品として親しまれてきました。
しかし近年、この地域にも変化の波が押し寄せています。
高齢化の進行にともない耕作されなくなった田んぼが増え、
イノシシやシカといった野生動物の被害も拡大しています。
中津川は今、いわゆる限界集落よりも厳しい現実に直面しています。

👨🌾 立ち上がったパパたち
この状況を前に、「このままではいけない」と最初に動き出したのは、
保育園に通う子どもを育てる父親たちでした。
東京、千葉、静岡、京都──
それぞれの土地から、中津川の自然に惹かれて移住してきたメンバーや、
子育てをきっかけに故郷へ戻ってきたメンバーが、地域で家庭を築き、暮らすなかで、
この土地の美しさや米づくりの可能性、そして地域が抱える課題に気づいていきました。
その動きに、すぐに共感して参加を申し出てくれたのが、
定年退職を機に帰郷し、農業に挑戦していた方です。
「この風景を、子どもたちに残したい」
「おいしいお米が作れるのに、衰退させてしまうのはもったいない」
この地域の未来を想いながら、父親たちは何度も顔を合わせて話し合い、
農事組合法人イザナギの新たな一歩を踏み出しました。
それぞれの立場や背景は違っても、目指す先は同じです。
中津川の美しい景観を守り、おいしいお米を育て、
次の世代に誇れる地域を残していくこと。
その思いを胸に、世代をこえて手を取り合い、
いま、新たな営みが静かに、だけど確かに始まっています。

🚜 古い機械と、新しい覚悟
現在、イザナギが直面している最大の課題は、農業機械の老朽化です。
使っているトラクターや田植機、コンバインなどは、20年以上前の機種がほとんど。
一般的に農業機械の更新は7年から10年が目安とされますが、
私たちはその倍以上を経た機械を、部品もほとんど出回らないなかで、
だましだまし使い続けています。いつ止まってもおかしくない状態で、
毎日の作業はまさに綱渡りです。
もちろん、新しい機械に更新すれば作業効率も安全性も大きく向上します。
しかし、私たちのような中山間地の小規模農業法人にとって、
機械1台の入れ替えでも大きな資金的負担になります。
それでも──
この中津川という場所に魅力を感じて集まった私たちは、
この営みを次につなげるために、そして地域の田んぼを途切れさせないために、
できることから、一歩ずつ前に進んでいく覚悟を持っています。

⛩「イザナギ」に込められたもの
私たちの法人名「イザナギ」は、
中津川にある伊邪那岐(いざなぎ)神社に由来しています。
この神社には、古くから地域を見守ってきた
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が祀られています。
神話では、伊邪那岐命は荒れた世界を整え、国や神々を生み出した「再生と創造の神」とされています。
かつてこの神社では、仮装牛による田起こしの神事や棒踊りの奉納など、
田んぼとともにある地域の暮らしを祝う、豊かな農耕文化が息づいていました。
私たちは、こうした地域の歴史や営みに敬意を込めて、
この名前を受け継ぎ、もう一度“動かす”ことを決めました。
新しい担い手ではありますが、決してすべてを新しくするのではありません。
受け継がれてきた思いと土地の恵みを大切にしながら、
中津川のこれからを育てていく。それが、私たちの「イザナギ」に込めた願いです。

🤝 応援、よろしくお願いします
農事組合法人イザナギは、まだ小さな一歩を踏み出したばかりです。
けれど、中津川という土地に魅せられた仲間たちが手を取り合い、
新しい営みを確かに始めています。
私たちが育てているのは、お米だけではありません。
地域の未来そのものです。
おいしいお米を食べていただくこと。
中津川のことを誰かに話してもらうこと。
「がんばってるね」と声をかけてもらうこと。
そのすべてが、私たちの大きな力になります。
どうか、この小さな挑戦に耳を傾けてください。
そして、もしよろしければ、応援の一歩を踏み出していただけたら嬉しいです。
中津川の田んぼから、次の時代へ。
私たちは、誇れるふるさとを育てていきます。